忍者ブログ
忘れたいような忘れたくないようなただのひとりごと
[394]  [393]  [392]  [391]  [390]  [389]  [388]  [387]  [386]  [385]  [384
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「話もしないでその人の何が分かるって言うの」
 ななせが心底呆れた風に言った。
「うん、なにもわからないね」
 わかってるんだけどね。わかってるんだよ。
「ていうか、あんたさ、ほんとに好きなの?」
 ちさが疑いの目を向けている。
「好きだよ。ほんと。」
 わたしだって呆れてるよ。だって見える部分しかしらないもの。顔とか、身長とか、服装とか。表面的なことだけ。
喋ったこともない。一緒の授業が何個かあってずっと後ろから背中だけを眺めてる。 

それでも彼に恋をしていると思う私は、
なにが恋かもしらないのかもしれない。そうだとしたらちょっと虚しい。

第309教室に入ると、いつもの場所に彼はいた。真ん中の、前の方の席。
わたしは適当に彼が見えるところに座る。
いつか、会える日が来るかも。
そうだといいな。

教室ががやがやしだす。彼は友達と一緒に楽しそうにおしゃべりしてる。
女の子もいる。ああ、いいなぁ。

あなたのなまえは 
なにがすき
なにをたべた
きょうはどんなひだった
わたしは、わたしは

今日もただ背中に問いかけるばかり。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


Link by RainDrop & Frank sozai
忍者ブログ [PR]