Link by RainDrop & Frank sozai
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忘れたいような忘れたくないようなただのひとりごと
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月の丘。
「小細工やめてくれないかな」
ほとんど彼は初めから気付いていたのかもしれない。
至極落ち着いた様子で、しかし目だけは真剣に、彼はAににじりよった。
「どういうこと?」
a ははぐらかす。
「まず本を閉じてくれないかな」
そういうとAの返事も聞かずに少し強引に彼女が開いていた本を閉じた。
そしてAの肩に手を置き、視線を合わせたうえで、断言する。
「僕が好きなのは、君だ」
「それが間違いなの」
彼女の反応はとても速かった。ずっとずっと前から用意していたかのように。
「僕を好きになったこと、後悔してる?」
彼だからこそ自然な物言いに少し笑って、
「いつもいつだって後悔してる」
そうはっきりと、告げた。
「ならなんで、、、」
いや、と。言葉をやめる。
「Lと付き合えばいいのかい?」
「そう」
「君はそれでいいんだね?」
「それが運命なの」
「ほんと運命という言葉が好きだね」
「…ええ、好きよ」
「君にとって僕はその程度か」
「どういうこと」
「さあね」
そういうと彼は去って行った。いつもの背中で。
目的は達成された。
Aはぼうっと、それだけを考えた。
「小細工やめてくれないかな」
ほとんど彼は初めから気付いていたのかもしれない。
至極落ち着いた様子で、しかし目だけは真剣に、彼はAににじりよった。
「どういうこと?」
a ははぐらかす。
「まず本を閉じてくれないかな」
そういうとAの返事も聞かずに少し強引に彼女が開いていた本を閉じた。
そしてAの肩に手を置き、視線を合わせたうえで、断言する。
「僕が好きなのは、君だ」
「それが間違いなの」
彼女の反応はとても速かった。ずっとずっと前から用意していたかのように。
「僕を好きになったこと、後悔してる?」
彼だからこそ自然な物言いに少し笑って、
「いつもいつだって後悔してる」
そうはっきりと、告げた。
「ならなんで、、、」
いや、と。言葉をやめる。
「Lと付き合えばいいのかい?」
「そう」
「君はそれでいいんだね?」
「それが運命なの」
「ほんと運命という言葉が好きだね」
「…ええ、好きよ」
「君にとって僕はその程度か」
「どういうこと」
「さあね」
そういうと彼は去って行った。いつもの背中で。
目的は達成された。
Aはぼうっと、それだけを考えた。
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mori
(わたし、強くならなきゃ)
弟と妹を抱きしめながら、そう強く思った。
「まもるからね。ずっとずっと守り続けるから」
翌日、夜が明けるとすぐに源信のところへ向かった。
そして、春野は当主の座に着いた。
*
梓、梓。聞こえてる?聞いてくれる?
「ありがとう。梓のおかげで強くなれた」
本人が聞いたら顔を顰めて拒絶するだろう。
加奈子は二人の思い出をすべて箱にいれて奥にしまった。
(わたし、強くならなきゃ)
弟と妹を抱きしめながら、そう強く思った。
「まもるからね。ずっとずっと守り続けるから」
翌日、夜が明けるとすぐに源信のところへ向かった。
そして、春野は当主の座に着いた。
*
梓、梓。聞こえてる?聞いてくれる?
「ありがとう。梓のおかげで強くなれた」
本人が聞いたら顔を顰めて拒絶するだろう。
加奈子は二人の思い出をすべて箱にいれて奥にしまった。
「はるかさんはね」
リクは優しかった。
「別に変っていうわけじゃないと思うよ。ただちょっと、人より時間がかかるだけで。それって別に劣っているわけじゃない。同じラインにゴール出来るんだから。大丈夫だよ、あなたは。ちゃんとこの世界で生きていける」
「そんなことっぃいうけどね」
はるかは嗚咽を殺しきれなかった。
「わたしは人と一緒がいい」
「一緒がいいのに」
どうして列からはみ出ちゃうんだろう。
「消えたくなる」
「ごめんね。僕には解決できないよ。あなたが自分で解決しなくちゃいけないことみたいだ。
「見放すの」
「だってはるかさんなら出来る」
「自分の力で出来るよ」
「知らないだけさ」
はるかはただ涙を流すことしかできなかった。
「知らないだけなんだよ」
リクははるかが泣きやむまでずっと屋上にいた。
優しさや気遣いを感じながら、はるかは裏切られたような、期待が外れたような心持がしていた。なぜかは分からずにいた。
リクは優しかった。
「別に変っていうわけじゃないと思うよ。ただちょっと、人より時間がかかるだけで。それって別に劣っているわけじゃない。同じラインにゴール出来るんだから。大丈夫だよ、あなたは。ちゃんとこの世界で生きていける」
「そんなことっぃいうけどね」
はるかは嗚咽を殺しきれなかった。
「わたしは人と一緒がいい」
「一緒がいいのに」
どうして列からはみ出ちゃうんだろう。
「消えたくなる」
「ごめんね。僕には解決できないよ。あなたが自分で解決しなくちゃいけないことみたいだ。
「見放すの」
「だってはるかさんなら出来る」
「自分の力で出来るよ」
「知らないだけさ」
はるかはただ涙を流すことしかできなかった。
「知らないだけなんだよ」
リクははるかが泣きやむまでずっと屋上にいた。
優しさや気遣いを感じながら、はるかは裏切られたような、期待が外れたような心持がしていた。なぜかは分からずにいた。