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忘れたいような忘れたくないようなただのひとりごと
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「私だけみんなと違うから」
 そう言って、言葉を止める。何の気無しを装いながらも、何らかの反応を待った。リクは隣にいる。けれど聞いているのかも聞いていないのかも判断出来なかった。
「いつも浮いちゃうの。努力してグループに入って頑張って笑ったり媚びたり、色々してみたりはするんだよ。だけど気づいたら一人になってる。みんなと同じはずなのに。わたしだって何にも変わらないはずなのに。同じ子とをしてるのに。だからね、わたし、きっと何か違うの。どうせ誰にも分かってもらえない。どうせひとりになっちゃう。だから最初からひとりでいようと思って」
・・・・・・
「ねえ、何か言ってくれないの」
「……何か言ってもいいの」
「何かあるなら言ってよ」
 何を言われても受け入れる気だった。それが出来るという自負すら感じていた。
「甘いんじゃないかな。そうして理由作って自分を甘やかして、ボクが慰めたら自己満足して結局堂々巡りだろ、俺をその下らない理論の保証人に使うな」
 彼の心を初めて垣間見た。そうだ私は彼を利用しようとした。何にも馴染めない情けない自分を慰めるためだけに彼の肯定が欲しかった。
「あのね、もっと自分に自信を持ちなよ、ハルカさん」
 私は彼のいったい何を知って、勘違いしたのだろう。ハルカは己を恥じた。とても恥ずかしくなった。
 彼はいったいどういう人なのだろう。彼はなぜいつもひとりなんだろう。初めて強く知りたいと思った。
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